記憶力が3倍に!成功した人が朝晩かかさない「睡眠習慣」
「人の名前が出てこない」「思い出すのが面倒くさい」「車庫入れが下手になった」「食べ物をよく噛まない」「良い睡眠がとれていない」「気になるニュースがあまりない」……これは怪しい兆候かもしれません!
医師の松原英多氏による、今一番売れている脳活性化の新刊、『もの忘れをこれ以上増やしたくない人が読む本 脳のゴミをためない習慣』では、文字どおり、脳の神経細胞を死滅させるゴミがたまる「その前」に何をすればよいか、国内外の研究と著者の臨床経験から伝授します。
今回記事でご紹介するのは、良質な睡眠をとる方法。睡眠中に脳のゴミ(ベータアミロイド他)が掃除されるとわかっています。さらに、記憶力もアップ。多くの研究者が勧めるうえ、まったくお金がかからないのも魅力です。これで睡眠負債を解消しましょう。
睡眠負債は脳のゴミもためる
最近、わが国では老いも若きも、良質の睡眠が不足しています。老いの睡眠障害は、入眠困難であったり、途中覚醒であったり、早朝覚醒だったりします。
若きの睡眠障害は夜更かし族です。わが国は世界でも珍しいほどの超照明国家です。宇宙から見ると、明るい照明が目立つそうです。
明るい照明があるから犯罪が少ない。夜間に女性のひとり散歩も可能です。
かくして、夜更かしの大増加。24時間テレビもあれば終夜営業のコンビニもある。夜更かし族が増えるのも道理です。
24時間営業が増えれば、一般の人も活動時間が長くなる。狙わずして経済大国の誕生です。経済大国大歓迎。でも、良質の睡眠の不足は困ります。良質の睡眠の不足が続けば、脳のゴミが流されずたまり続け、認知症が増えるからです。
「定刻起床」の元祖は毛利元就⁉
ならば、良質の睡眠を得る方法を考えましょう。良質の睡眠を得る方法は、多くの研究者や学者が研究しています。それらの賢者のご意見をまとめると、「定刻起床」に行き着きます。
定刻起床の効果は偉大です。長州藩の藩祖毛利元就(もうり・もとなり)は、定刻起床の元祖らしい。NHK‒BSの「偉人たちの健康診断」は高視聴率番組です。番組の中で、毛利元就が取り上げられました。
毛利元就の日課には、「朝起きたら、朝日を拝み、念仏を10回唱える」がありました。腕時計や目覚まし時計もなかった時代です。「朝起きたら、朝日を拝み」は定刻起床を意味します。
「朝日を拝み、念仏を10回唱える」には、時間的に考えても、朝日を十分に浴びることであり、メラトニンとの決別です。
メラトニンは睡眠物質であり、光量と反比例の関係にあります。朝日を拝むと、太陽光線をいっぱい浴びます。光量と反比例の関係にあるメラトニンは減少して、爽やかな目覚めが入手できます。
生活リズムと自律神経の深い関係
爽やかな目覚めは、健康な生活リズム(または活動リズム)を生み出します。われわれ生物の99%はリズムで生活しているのです。
24時間リズムあり、四季というリズムあり、世紀というリズムもあります。健康も、栄達出世にも、毎日の生活リズムが深く関与しています。生活リズムには自律神経が深く関係します。
昼間の活動期には緊張の交感神経は優位になり、夜間の睡眠時は休息の副交感神経が優位になります。
世に名をなした成功者は、この生活リズムを上手に利用して活躍度を高めて、目的を達成したのでしょう。社会の成功者は生活リズムの成功者です。生活リズムが高位になれば、心身の活動度は高まります。
われわれも負けてはいられません。毛利元就のように、定刻起床から高いレベルの生活リズムを得て、栄達出世をわがものにしましょう。認知症など蹴散らすのです。
生体の自動調節機能のスイッチが入る
前の晩、何時に床に入っても、定刻に起床する。「それじゃ、寝不足になる」とこぼしても定刻起床。何があっても定刻起床です。定刻起床を続けると、前出のように、生体の自動調節機能が働いて、知らぬ間に良質な睡眠が生まれます。
良質な睡眠といっても、長時間寝ればよいとは限りません。長時間に過ぎる睡眠ではだらだら睡眠となり、眠りが浅くなって、良質な睡眠を逃してしまいます。逆に超短時間睡眠では、浅くなったり深くなったり睡眠リズムが狂い、良質な睡眠を得られません。
理想的な睡眠時間は、6〜7時間と言われています。この数字は世界各国共通で、民族、風習、風土が違っても、6〜7時間睡眠が最良だそうです。
ゴミがたまり出す「その前」の時期には、とくに良質な睡眠が必要です。良質な睡眠で、認知症の芽を蹴散らし、たまりかけたアミロイドベータを消し去るのです。
不良睡眠に比べ3倍近く記憶力が上がる
「果報は寝て待て」というではありませんか。もっと睡眠を大事に思えるよう、その効果をもう少し述べましょう。
発想に苦しんだとき、一晩ぐっすり眠ると、翌朝ひらめきがある。これは「レミニセンス効果」といい、それを証明する実験もあります。
ドイツのリューベック大学からの報告です。良質の睡眠をとった人は、不良睡眠の3倍近くも記憶力を上げていました。
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